平成28年11月14日

「 音圧110㏈との戦い ~スタジオ工事①床造作編 」

今回 「 2階の息子の部屋を防音ルームにしてほしい 」というご依頼を頂きました。

中学生の息子さんが デスメタル・バンドのドラムを担当しておられ、

ご家族の理解協力の中 、日々頑張って2階の自分の部屋でドラムをプレイしておられるのですが、

なんせ ドラムの音圧って ジェット機の音圧と同じ 110デシベル。。やはり 凄まじいようで、

やはり ご近所には騒音で迷惑を掛けられないから 部屋を防音室にリフォームして欲しいというご要望でした。


少し前に 他社から見積もりを取られたようですが、それが途方もない金額だったようで、
出来るだけ低予算で 防音効果を出せないものかと ヤマブキに ご相談にこられました。

 

思案の結果をゴチャゴチャと書き記すのも 読んで頂きにくい日誌となりますので、概略だけ述べますと、

防音とは ① 吸音 ②遮音 ③振動対策 の 3つの要素を全て含んで 防音となるようで、

①音楽室の壁のような吸音ボードでは 110デシベルには歯が立たない

②遮音には 鉛の板が適しているが、部屋全体を鉛の板で囲うとなると 鉛の総重量だけで1トンを越える。
 他の部材と人間の重さを加えると 総荷重 約1.5トン。。。

 それは 一番大きなグランドピアノ3台 またはお湯の入ったユニットバス3台が その六畳の部屋に乗っているのと
 同等で、一階部分へ掛かる加重を考えると とてもお勧め出来ない。

③現在の部屋の床や壁を撤去して 何かしらの施工をしたところで、建物全体に伝達する振動は防げない。
 やはり極力 防音室は建物に密着していない方が好ましい。

という結論となりました。

 

で、施工内容を 写真に撮っておきましたので、順にご覧下さい。(撮り忘れも多いのでごめんなさいね)

 

① 既存の床に 耐震ゴムを並べ、その上に床垂木を設置、垂木の間に100㎜のロックウールを敷き詰め 板を貼ります。

 新しい防音ルームは 既存部屋の床の上に ゴムの部分だけ接しているわけです。
 100㎜のロックウール材が1つめの床に仕込んだ吸音材となります。

 

② 板を貼り終えた 第1の床に 遮音シートを貼り、更に鉛の板を貼り付けていきます。

 

③ 鉛ボードを貼り終えたら 第2の床の為の下地を作ります。

 

④ 下地と鉛ボードの接点部に 防音専用のシール剤を注入していきます。

 

⑤ 下地の隙間に 今度は77㎜のロックウール材を敷き込んでいき、第2の床となる15㎜のボードを貼っていきます。

 

 

つまり、新しい防音室(スタジオ)の床は 既存の床に密着しておらず、
  鉛ボード等を挟み込み、二重の吸音材を充填した二重床で構成されているわけです。

 

完成編に to be CONTINUED 。。。