平成30年10月23日

「 綿加工作業所の集塵システム 」

 

この工事、実は昨年に施工させて頂いたのですが、掲載する文言など考えているうちに月日が流れてしまい、
ほったらかしにしすぎたホームページの穴埋めをしようと 過去の画像をチラ見して 掲載しております。

いくつかのご縁を頂き、 数年前から米原市社会福祉協議会 様のお仕事を承る事が出来まして、
この工事もその中のひとつです。

この件について お話を頂いた時には、もう既に数社からお見積もりが提出された後でした。

 

「 綿を使用した加工製品を作る作業場内の 綿ぼこりがひどくて 職員・作業者ともに困っている 」事への対策。

既設の換気扇では能力が足らないので きちんと埃が排出できる換気を考えて欲しい。という事案です。

 

。。というか、弊社の所にご相談を頂いた時点では もう既に他社の提案で行くことが決定していたので、
同機種・同施工方法での値段勝負のご要望となっておりました。

 

施工内容と設備を確認すると、壁に大型の有圧換気扇を二基設置するという内容です。

有圧換気扇は、倉庫や工場に用いられる、家庭用の何十倍もある大きな換気扇です。

これ。。やかましいだろうなあ。。それに大層 負圧が掛かるだろうなあ。。と想いながらも、
提携する卸し商社に連絡し、値段をたずねました。

「 室内の容積伝えるから、空調計算も出しといて 」と付け加えて。

 

2日後に商社から見積もり返答のFAXが届き 愕然としました。

①室内の綿埃を排出するには この程度の能力の換気扇が必要であろうが かなりの騒音となるでしょう。 

②この有圧換気扇を用いた場合、室内の空気は1時間に3回入れ替わります。

なんじゃそりゃあ~! それでは冷房も暖房も効かんではないか!

やる気ゼロパーセント。。谷底に自分から飛び込むが如く 落ち込みました。

こんな提案 出せるはず無い。。。いやや、 わて。。。

 

二週間ほど 頭の隅に置きながら考えました。

室内の温度を変えずに 埃のみ取り去る方法は何か。。

 

そして 「 やっぱ濾過しか。。無いわ。。。」にたどり着きました。

こういう事です。

 

天井に大きなダクト・天井に大型静音式の吸引ファンを設けて空中に浮遊した粉塵を吸引、

その空気を又室内に戻し、大きなフィルターでほこりを取り去り 再び室内に戻す。

 

更に ①粉塵を取り去れる最低限の回転数から 強制的に除去できる風量まで 手元で可変できるコントローラー

②床に溜まった綿くずも 吸い取れる チリトリ形状の吸入口

ここまでやって はじめて要望目的に叶う! と結論しました。

 

この方法や施工・製品の作成が可能であるか、ダクト作成のパイオニアである泉製作所さんに協力頂きました。

結論は  全てOK。

あとは 役所の担当様へのプレゼンテーションです。

当初のご要望を全く無視した提案・しかも有圧換気扇での施工費とはかけ離れた施工費用です。

 

熱意を持って ご提案しました。

低コストでも 冷房暖房が効かなくなる物では意味が無い 等々。

 

提案させて頂いたのが平成16年の10月頃で、それから約1年の検討 競合期間を過ぎて平成17年10月、
ようやく弊社にて弊社が提案した通りのシステム機器を設置させて頂きました。

本当に うれしかったです。

あれから一年間 何のトラブルも無く 皆さんに喜ばれてファンは稼働しています。。

本当に 本当に ありがとうございました。

 

↓着工前の作業所内 綿の原料がたくさん置かれています。

着工 天井のテックス板を取り外し 天井裏のダクト配管に取りかかります。

↓ これが天井内に収まる吸引ファンです。で、でかすぎ!

↓特注の吸入ダクトです。

↓ 2箇所からの吸入をひとつにまとめる部分とその内部。ど真ん中に吸引ファンが座っています。

↓もうひとつの吸入口 床用のチリトリ式です。これは必要に応じ 遮断可能。

↓ そしてこれが 天井を通って戻ってきた空気から粉塵を濾過する部分。可変コントローラーも見えます。

↓ 完成後のシステム全体像。やりました。。やり尽くしました。

 

やっと ホームページに掲載することが出来ました。

一般のお客様には全くといって良いほど 関係ない工事なのですが、

「 うちら、頑張ってますぅぅ~! 」を アピールするために掲載しました。いやらしいですね。。笑